* サンちゃんとの出会い *


2003.01.13(Mon) 振替休日
2002年くらいから、私はアヒルが気になりだしてグッズを集めていました。
この頃、2003年の冬は、春くらいからアヒルを育てたいなーと思い始めてあひるサイトを巡ったり、明石公園の堀のアヒルに野菜や果物の切れっ端をあげていました。

この日、エサを上げにいくと1羽増えていたのです。
当時の写真ではないですが…駅側から撮影。
わかりにくいですが、右向こうの石垣の高い所は明石公園。
左寄りの石垣の低い所が公園中央入口への通路。
その間の角(奥まった所)にいました。
公園中央入口から増えた1羽のいた場所を見下ろした写真。
当時はもう少し水が浅く、この辺りだけ岩場になっていました。
増えた1羽は岩場から動かず、他の4羽に近づこうともしない。
水に入った形跡がない。たぶん水も飲んでない。
くちばしがかなり白い。
岩場で足を痛めているらしく、岩にはところどころ血がついている。
そばに卵がひとつ。

エサを岩場に投げても食べません。足元に色んな人が投げたエサが転がっています。
見ると両足に緑と赤のプラスチックの紐がついてる。
だから迷子だと思ったんです。

紐に連絡先など書いてないかと思って、石垣を降りました。
連絡先は書いてなかったけど、エサを上げると手から直接食べました。体も撫でさせてくれました。

迷子の届けが出ていないかと思って交番に行ったけど、出ていないそうで、何も出来ないと言われ。
公園の管理事務所に行くと、通行人から怪我の報告等があれば病院に連れて行く、迷子の張り紙を出すか検討してみる、と言ってくれました。

色々してあげたいけどどうしたら良いかわからず、その日は家に帰りました。
そして、相談したのがあるHPの掲示板でした。

相談してほんの数時間でたくさんのご意見を頂きました。
プールしか入った事がない飼われていたアヒルだから怖くて堀に入れないこと。
クチバシが白っぽいのは卵を生み始めたメスによく見られること。
他のアヒルに馴染むのは難しく、飼われていたアヒルは野良としては生きられない事。
可能なんだったらすぐにでも保護して欲しい。
アヒラーさん達の切実な思いが伝わってきました。

私は、妹のあゆと相談して、アヒルを保護することに決めました。

また、明石公園のアヒルについて調べてみました。
白鳥は飼っているけどアヒルは全て捨てられた子だそうです。
3つの堀に、当時4羽と1羽と11羽、計16羽が全部捨て子。
アヒルは卵を産んでもあまり温めないから増えないので。
そういえば、白鳥は飼ってる証拠に足に輪っかがつけてあります。
すると、全国の池や川のアヒルも印がなければ捨てられた子である可能性が高いですね…
そして、アヒルは野鳥ではないのでマガモ等と違って病院につれていくとお金がかかります。
かといって怪我などをしていたら見殺しにはできないから、公園側も困ってるようですね…

2003.01.14(Tue)
アヒル保護に関して、母の了承を得ることはできなかったけど、命の方が大事です。
夜の内に猫等に襲われてないといいと思いながら、早朝、自転車にダンボールを乗せて公園に行きました。
アヒルちゃんは無事。
公園の管理事務所が開いてなかったのでひとまず無断で保護。
私は仕事があったので留守を妹のあゆに頼みました。
あひるちゃんのごはん、犬用室内サークル等必要な物の買出しなど。
ゆくゆくはアヒルを飼うつもりだったから、それらを買うのが惜しいとは少しも思いませんでした。

仕事の合間に公園の管理事務所に電話すると、なんと、前日とは別の事情に詳しいおじさんが出ました。
曰く、
アヒルは迷子ではなく、日曜(前々日)に捨てに来た家族連れがいた。
「新入りは絶対いじめられるから連れ帰ってくれ」と言ったが、「マンションだからもう飼えない。もともと小学生の子供がペットショップの売れ残りをただでもらってきたアヒルだ」と言って聞かなかった。
ついでに「病気持ちとか体が弱いとかで売れ残ったに違いない」とも言っていた。
「じゃあせめて怪我したら引き取りに来てくれ」と言ったが、連絡先を言わずに親は帰ってしまった。
小学生の子供だけ残って、夕方までずっとアヒルを見ていた。

驚いた。
捨てて当然のような顔で身勝手にペットを捨てる親。
私がじゃあ引き取ると言うと、おじさんは「何よりです」と言いました。
仕事を終えて家に帰ると、妹がアヒルちゃんを「さんちゃん」と呼んでいた。
朝私がそう呼んでいたらしい。
既にサンちんというアヒルのぬいぐるみ(♂)がいたので、半ば冗談で「サンちゃん(仮)」だったんだけど…。
とにかく、名前はすんなり決定。

今日からあなたはウチの子だ。

その後
その時は驚いただけだったけど、後から腹が立ってきた。
親に承諾を得てない小学生に生き物を持ち帰らせるペットショップ。
売れ残りとして処理されるより良いと思ったのかもしれないが、無責任な行為だ。
生き物を扱う仕事なのに、生き物を飼うことの重みを分かってないとしか思えない。
そして捨てた家族。
家族連れだなんて、子供の教育とか考えてないんだろうか。捨てることを悪いとも思わないのか。
子供の安易な行動に対して親は「自分の行動に責任を取る」ことを教えるべきではないのか。色んな責任を放棄したようにしか思えない。
飼えなくなったなら里親を探すべきではないか。
しかもよりによって一番寒い季節だ。
身勝手に捨てるくせに、後々様子を見ようと、両足にプラスチックの紐を計4本もつけるなんてもう異常だ。
捨てた時点で彼女を束縛する権利なんてあなた達には無い。
見分けもつかないくせに一体何様だ。
サンちゃんが元気にしてること、捨てた人達には教えたくない。
公園の紐付きアヒルがいなくなったのは、身勝手に捨てたから死んじゃったんだと思って後悔して欲しい。

実際、堀の水を飲むことすらできないアヒルは野良じゃ絶対生きられなかっただろうから。
池なら仲間もいるし良いだろうと思うのか、安易に捨てられて死んじゃうアヒルはたくさんいるんだ。

紐を取るのはサンちゃんが私達に大分慣れてからにした。
紐を取った時、やっと完全にウチの子になった気がして、感慨深かった。

母を説得しきれないままの波乱のスタートだったけど、そのうち母もサンちゃんを可愛がってくれるようになった。
私達にも懐いて、クッションの上でうとうとしたりするサンちゃんは幸せそう。
思えば、捨てられた二日後に保護できたなんて奇跡みたい。
サンちゃんはきっとすごいラッキーなあひる。幸せに幸せになってほしい。
私の数年前からのアヒル好きはサンちゃんに出会うためだったんだなぁ。

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