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* 卵トラブルのまとめ *


治療
栄養状態を改善する
軽度であればこれだけで解決することもある。進行していても他の治療と並行して行う。詳細は「普段できること」「栄養」「日光浴」参照。
炎症を抑える
抗生物質を飲む。
サンちゃんはエンロフロキサシン(商品名バイトリル)という粉薬を朝夕飲んでいる。
飲み始めた頃ははっきりと効果があり元気になった。元気になったので薬漬けも良くないということで中断をしたのがいけなかった。中断している間に炎症が進み、薬を再開しても抑え切れなくなった。あの時抗生剤を続けていれば、と悔やまれる。
処方料は、かかっている病院では1包262円。30日で15,720の計算。(高い;)
味はするようだがサンちゃんは好物のトマトにふりかけると食べる。汁が残るのでそこにペレットを入れている。
食べない子は水で溶かして針の無い注射器のようなもので口の中に入れる。のどの奥に入れるのは難しいので、舌の上に出す。または、獣医師にのどの奥に入れるやり方を説明してもらう。
(2010.6追記)長年気付かなかったが、抗生剤を減らしてからアヒ脂が増えたことで、副作用に気付いた。他の子でもバイトリルを飲むとアヒ脂が不足し、体重が減った。バイトリルをやめるとアヒ脂も体重も元に戻った。脂質の吸収を妨げているのか、食欲を抑えてしまうのか、どちらなのかははっきりしない。
(2010.6追記)現在は最初から主食(ペレットを水に溶かしたもの+チンゲン菜の葉のみじん切り)に混ぜている。
(2010.6追記)抗生剤を飲み続けることで、ひどい下痢(全く消化していない便)になったり、肝臓が悪くなって元気や食欲がなくなったりすることがある。体調が良くなったり発情が落ち着いたりしたら、病院に相談し様子をみながら薬の量または頻度を下げる。サンちゃんの場合は、1日2回→1日1回→2日に1回。
産卵・発情を止める
生活習慣や環境を改善する
これも他の治療と並行して行える。詳細は「普段できること」「産卵・発情のコントロール」を参照。
ホルモン注射
酢酸リュープロレリン(商品名リュープリン)。最も新しく、副作用の少ない方法。ホルモンを与えるとか減らすとかではなく大元に作用するらしい。
4週間に1回注射する。頻繁に注射してもあまり意味が無いらしい。500-1000μg/sc every 2-4week
値段は、かかっている病院では1回8,400円。
インコ等には大体効くらしいが、アヒルのデータは少ない。サンちゃんは2回打っても全く効かなかったが、同じ病院で効いた子も1羽いるらしい。ホルモン剤は相性のようだ。
ホルモン剤1
酢酸クロルマジノン(商品名クロルマジノン)。古くから使われていた薬で、女の子には男性ホルモンを与える、という方法。肝臓に悪いらしい。食欲が落ちたり、水ばかり飲むようになったりする。続けていると体が慣れてきて効果が出なくなるらしい。2.5-10mg/dw
粉薬で、抗生物質と混ぜてもらってたので処方料はそのまま1包250円だった。与え方も同じ。
サンちゃんは少し産卵のペースが落ちたがだるそうで、少しずつ薬の量を増やしていって限界の量になっても産卵は完全には止まらず、次のホルモン剤に切り替えた。
ホルモン剤2
タモキシフェン。消化器系に副作用が出ることも多い、つまり下痢などになる。0.5-2mg/dw
やはり粉薬で、抗生物質と混ぜてもらってたので処方料はそのまま1包250円だった。与え方も同じ。
サンちゃんの場合、産卵の頻度は前のホルモン剤と同様にちょっとしか落ちないけど、前のホルモン剤よりも副作用が出ないので、産卵は止まっていないけれどもこれを続けている。
その他
この他にもホルモン剤はあるようだが、この3種類が駄目なら他のを試す意味はあまりないと言われた。作用が似ているということだろうか。
一度産卵が止まると薬を止めても産卵を再開しないこともあるらしい。ホルモン剤は急にやめると反動で発情がくるので、やめる時は薬の量を徐々に減らす。
手術
産卵・発情を起こす卵管を切除し、炎症を起こす腹腔内に落ちた卵材を取り除く。危険を伴うが、腹腔内に落ちた卵は自然には排出されないため、最も根本的な治療になる。ただし、発情が必ず止まるとは限らない。
血液検査で血球容積等が低く貧血を示していると、麻酔で命を落とす可能性がある。ごくまれに貧血でなくても麻酔に負ける子がいるらしく、サンちゃんの数値は手術直前に28で安全圏だったが、命を落とす危険性は1割と言われた。…が、アヒラーさん達の話を聞いていると、衰弱していた子でも麻酔を乗り越える子が多いように感じる。アヒルさんは体力があるので、麻酔で命を落とす可能性は1割より低いかもしれない。
炎症が進んでいると卵材が卵管と腸を癒着させ、卵管や卵材が取り除けなくなる。レントゲンなどの事前の検査ではわからないので、折角手術でお腹を開けても治療にならないことがある。サンちゃんも3割の卵材しか取り除けなかった。サンちゃんと手術が成功したぴーちゃんの血液検査表を比べると炎症を表す白血球の数値に差があるので、私見だがある程度の目安になるのかもしれない。
そういったリスクが高いため、よほど体調が悪くないと獣医師は手術をしたがらないと思う。が、時間が経過するほど体内の癒着や貧血は進むので、他の方法で症状が改善しない時は早めに手術の検討をすることをお勧めしたい。
手術は数時間、入院は本人の回復次第だが早ければ1泊、サンちゃんは2泊だった。費用は手術が42,000円、入院が1泊2,625円、検査・点滴等の諸費用を合わせて計52,500円だった。
病院でも餌を出してくれるとは思うが、本人のためにいつもの餌を持っていくと良い。
卵管を無事摘出しても発情が止まらない場合もある。その場合ホルモン剤などで治療をすることになる。サンちゃんの場合は卵管は腸と癒着して全部摘出することができなかったが、抗生剤とホルモン剤で乗り切った。
(2010.6追記)年齢が高いほど麻酔で命を落とす確率が高くなるという意見もある。

結論
(2010.06追記)
2004年1月、サンちゃんは手術をしたが、炎症を起こした卵管が既に腸に癒着していてほとんど切除できず、腹腔内の卵材(それも全てではない)を取り除いただけだった。
その後も抗生剤とホルモン剤の服用を続け、卵カスを産むこともあって苦しいときもあったが、2006年春(4歳)頃から発情が止まり、元気になった。抗生剤とホルモン剤は量を減らしながら8歳となった現在でも続けている。
卵性腹膜炎になり手術までいったアヒルの中では一番長く生きているのではないか、と言われる。
決して私がうまくやったわけではなく、記録を読み返していると後悔することがたくさんある。
サンちゃんが元気でいるのは、まずサンちゃんの体質と抗生剤とホルモン剤との相性が良く、長期間服用しても肝臓などをやられなかったこと。もう一つは、腹腔内の悪い部分が他に広がらないように何かが覆ったらしいこと。つまり、運のお陰であって、私と同じコースを辿るのはお勧めしない。
最後にまとめの代わりに、後悔していること、もし時間が戻るなら自分はどうすべきだったかを書く。
1. 背中を撫でていたのは間違いだった。健康な卵を産んでいるならともかく、異常卵を産み始めた後は自重するべきだった。
2. 栄養についての認識が甘かった。異常卵を産み始めたとき、すぐにボレー粉を山ほど餌に混ぜて食べさせる、主食を配合飼料からペレットに変える、人間用のサプリメントを与えるなどして、異常卵を止めるべきだった。
3. 最初、病院の選び方を間違っていた。初めから、遠くても鳥に詳しい病院に行くべきだった。遅くとも、異常卵が止まらないときに、すぐに近所の病院を諦めるべきだった。犬猫で評判の先生は犬猫では腕が良くても、自信たっぷりに話していても、人柄が良くても、当てにならない。
4. 異常卵を甘く見ていた。異常卵を産んでも、産んだ後には元気そうだから、心配しながらも素早く対処しなかったのが間違いだった。異常卵の段階で止めないと、卵管炎は確実に進行してしまう。
5. 卵管炎を抗生剤で確実に止めなければいけなかった。せっかく抗生剤で調子が良くなったのに、薬漬けも良くないからと、薬を止めて様子をみているうちに卵管炎は進行した。抗生剤を休止しているとき、遅くとも、異常卵を産んだらすぐに抗生剤を復活しなければならなかった。抗生剤を休止しなければ、卵性腹膜炎までは進行していなかったかもしれない。手術せずに済んでいたかもしれない。発情が止まった後は抗生剤の服用もしなくて済んでいたかもしれない。

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